今日降った雨で、桜は大分散ってしまいましたね。
←道路に散らばる桜の花びら。
ども。つかさすすむです。
実は今日、ちょっと不思議な事に出会いまして・・・・・・。
〜世にも奇妙な物語 「迷走電車」〜
「う〜〜〜ん・・・・・・」
本人以外、誰もいない事務所の中で、つかさすすむは思いっきり伸びをした。
時計を見ると、時刻は夜の9時になろうとしている。
ここの所仕事が忙しく、最近は、これぐらいの時間まで事務所にいるのは日課になりつつある。
「・・・・・・そろそろ帰るか」
仕事が山積み状態で、まだまだ終わらないのが事実だが、事務所に泊まってまでしてやる事でもない。
自分にそう言い聞かせて、つかさすすむは家に帰る準備を始めた。
彼の今の仕事場までは、通勤に片道2時間かかる。
これが、交通機関1つで済む行程なら、毎日往復4時間という時間は、有意義に使える事だろう。
しかし実際は、電車とバスを、何回か乗り継ぐ行程。
数十分単位で交通機関の乗り換えがある為、車内で落ち着いて何かをやる訳にもいかず、ただ、移動をするのみの、何とも簡素な時間をおくっていた。
そして今夜も、朝とは逆にバスから地下鉄へと乗り換え、最後に乗る私鉄の電車を、
ホームで待っていた。
今夜のホームは、平日の遅い時間だというのに、やたら混んでいた。
間もなく、快速急行が、ホームに入って来た。
他の人達の列の流れと共に、彼もまた、その電車に乗り込んだ。
・・・・・・どうやら、連日の仕事の疲れが溜まっていたらしい。
上手く座席に座れたつかさすすむは、いつの間にか眠り込んでいたようだ。
目が覚め、窓の外を見てみると、大阪の街のイルミネーションの煌きが見える。
『まだ、降りる駅までもう少しあるな・・・・・・』
そう思った彼は、もう少しだけ寝ようとした。
その時、彼の耳に、車内アナウンスが聞こえてきた。
「まもなく、○○駅に到着します。この電車は、各駅に止まります」
今、何と言った?
彼は、我が耳を疑った。
この電車が、各駅に止まる、だって?
確かに彼は、快速急行に乗ったはずだ。
その快速急行が、各駅停車なはずは無い。
じゃあ、今のアナウンスは何だったのだろう?
寝起きの為、思考が上手く働かない。彼は今、軽いパニック状態に陥っていた。
そんな彼を他所に、アナウンスは続いた。
「次の○○駅で、急行と連絡します。お急ぎの方はお乗換え下さい」
このアナウンスは、彼の乗っている電車を示すのに、決定的な内容だった。
やはり、今乗っている電車は、快速急行ではない。普通電車だ。
では、何故自分は、普通電車なんかに乗っている?
早く帰宅したいが為に、快速急行に乗ったはずだ。
乗るときに間違えた?
いや、確かに快速急行だった。
余りにも寝過ごしてしまい、終点まで電車が行ってしまい、電車の編成が変わってしまったのだろうか?
しかし、時計を見ると、この電車に乗り換えてから、今のこの時点までの所要時間と
大差はない。
いったい、これはどういう事なのだ・・・・・・?
やがて、先ほどアナウンスで案内があった駅に着いた。
一瞬、迷った彼だったが、その駅で降りる事にした。
車両から降り、ホームに立つ。
つかさすすむは振り向いて、たった今降りた電車の、編成表示を見た。
――――そこにはハッキリと、「普通:奈良行き」と書かれていた――――。
〜世にも奇妙な物語「迷走電車」・完〜
・・・・・・ま、それでその駅で急行に乗り換え、帰宅した訳ですが。
いや〜、15年以上電車通学・通勤をしてきましたが、乗っている電車が途中で変わるなんて初めての経験ですよ。
こんな事もあるんですねぇ〜。
あ、念の為に言っておきますが、電車が変わっちゃったのは、怪奇現象とかそんなん
じゃなく、人身事故の所為でダイヤが乱れて、急遽編成が変わったってだけですからね(笑)。
|